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梁の苑

2020.02.14

梁園秋竹古時烟

城外風悲欲暮天

万乗旌旗何処在

平台賓客有誰憐

 

六九八年生まれの王昌齢(おうしょうれい)の「梁(りょう)の苑」。梁は河南省の地。苑は庭園。

 

■読みと解釈

梁園秋竹古時烟

梁の園(えん)の秋の竹は古き時の烟(けむり)あり

[梁の庭園の秋の竹は昔のままもやを含み]

 

城外風悲欲暮天

城の外の風は暮れんと欲(す)る天を悲しむ

[城壁の外の風は日暮れの天を悲しんでいる]

 

万乗旌旗何処在

万乗(ばんじょう)の旌旗(せいき)は何(いず)れの処(ところ)にか在る

[天子の御旗はどこにもなく]

 

平台賓客有誰憐

平台(へいだい)の賓客(ひんきゃく)をば誰(たれ)有りてか憐(あわ)れまん

[平台の客人を憐れむ者は誰もいない]

 

 

■注目点

梁の地に庭園を造ったのは漢の文帝(在位前一八〇~前一五七)の四男で梁地を領有した孝王。孝王はここに豪華な台を築き、多くの文人を招いて宴を催した。孝王から約八五〇年後に訪ねた王昌齢の作。

この詩は孝王の庭園の荒廃を詠むに止まらず、これに重ねて作者王昌齢の不遇を詠む。王昌齢は自らの文才を頼んで客人の文才に準え、客人は孝王の知遇を得たが、孝王のいない今、自分は知遇が得られないことを恨む。

王昌齢の伝記は不明部分が多く、三七歳前後の王昌齢は科挙に合格し、役人として梁の地にいたことがある。本詩はこの頃の作か。

 

《PN・帰鳥》