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柳郎中の春の日に揚州に帰らんとするに南国にて別れらるるの作に酬ゆ

2020.03.06

広陵三月花正開

花裏逢君酔一廻

南北相過殊不遠

暮潮帰去早潮来

 

七三七年頃生まれの韋応物(いおうぶつ)の「柳郎中(りゅうろうちゅう)の春の日に揚州(ようしゅう)に帰らんとするに南国にて別れらるるの作に酬(むく)ゆ」。柳は姓。郎中は宮中の文書係。揚州も南国の蘇州も江蘇省の地名。酬ゆは答える。

 

■読みと解釈

広陵三月花正開

広陵(こうりょう)は三月に花正(まさ)に開き

[君の居る広陵揚州は春三月の今は花はまさに満開で]

 

花裏逢君酔一廻

花裏(かり)にて君に逢いて酔うこと一廻(いっかい)せん

[花の咲き乱れる中で君と出会って一度酔っ払いたい]

 

南北相過殊不遠

南北相(あ)い過ぐるも殊(こと)に遠からず

[私と君が居る南と北は離れているが特に遠くはなく]

 

暮潮帰去早潮来

暮潮(ぼちょう)帰り去れば早潮(そうちょう)は来たる

[夕暮れの潮が引くと早朝の潮がやって来るように直ぐに会える]

 

 

■注目点

言いたいことに注目。詩題は「柳郎中が春の日に揚州に帰ろうとする時に南の国の蘇州で別れられた時に作り贈ってくれた詩に答える」。判り難い題。

柳郎中が揚州に帰る際、作者韋応物に贈った詩は現存せず、内容は判らないが、本詩の冒頭二句から推測すると、韋応物が柳郎中の任地揚州を訪ね、二人で酒を飲み再会を喜び合いたい。そんな内容だったのではあるまいか。蘇州に居る韋応物はこの内容を思い出し、本詩を作り答えたのではあるまいか。

 

《PN・帰鳥》