古い絶句
2017.11.10
藁砧今何在
山上復有山
何当大刀頭
破鏡飛上天
作者不明の「古い絶句」。四句からなる古い詩。製作は唐以前。
■読みと解釈
藁砧今何在
藁砧(こうちん)は今何(いず)くにか在る
[夫は今何処にいるの]
山上復有山
山の上に復(ま)た山有り
[外へ出て行っている]
何当大刀頭
何(いつ)か当(まさ)に大刀頭(だいとうとう)なるべき
[夫は何時還って来るの]
破鏡飛上天
破鏡(はきょう)の飛びて天に上(のぼ)るときならん
[欠けた月が天に上る時だろう]
■注目点
漢字遊びに注目。表面の意では判らぬ詩。隠語の詩。
藁砧は夫を意味する隠語。藁砧は砧(きぬた)の上に藁(わら)を敷き、その上に罪人を乗せ、鈇(ふ、まさかり)で殺した。鈇と夫が同音なので、藁砧は夫を意味する隠語。
山の上にまた山とは、出ると言う漢字。
隠語は判り難い。
一句目の問いに答えるのが二句目。
大刀頭とは大きな刀剣の先のこと。先には円形の玉が付いている。円形の玉は別に環と言う。環と還(戻る意味)は同音なので、大刀頭は還を意味する隠語。
破鏡とは欠けた鏡。欠けた鏡が空に飛んで天に上った時とは、満月が過ぎ月が欠けた時を言う。
三句目の問いに答えるのが四句目。
隠語は判り難い。
《PN・帰鳥》