山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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黄鶴楼で孟浩然が広陵に行くのを送る

2014.03.28

故人西辞黄鶴楼

煙花三月下揚州

孤帆遠影碧空尽

唯見長江天際流

 

七六二年生まれの李白(りはく)の「黄鶴楼(こうかくろう)で孟浩然(もうこうねん)が広陵(こうりょう)に行くのを送る」。黄鶴楼は高殿の名。孟浩然は人名。広陵は地名。

 

■読みと解釈

故人西辞黄鶴楼

故人(こじん)は西のかた黄鶴楼を辞し

[昔なじみが西の方角にあたる黄鶴楼に別れを告げ]

 

煙花三月下揚州

煙花(えんか)三月揚州(ようしゅう)に下(くだ)る

[春霞に花咲く晩春三月揚州へ下って行く]

 

孤帆遠影碧空尽

孤帆(こはん)の遠影は碧空(へきくう)に尽(つ)き

[遠ざかった小さな舟の姿が紺碧の空に吸いこまれ]

 

唯見長江天際流

唯(た)だ見る長江の天際(てんさい)に流るるを

[ただ見えるのは長江が天空の果てに流れているのだけ]

 

 

■注目点

孟浩然の動きと作者の思いに注目。

孟浩然の動きは、出発地は西の黄鶴楼→長江を下る→到着地は東の広陵(揚州に同じ)。

出発の時は一面に霞たなびく晩春三月。李白より十二歳年上の孟浩然が舟で長江を下る。

李白はその孟浩然を黄鶴楼の高殿から見送る。孟浩然の乗る一艘の小さな舟は、天空に吸いこまれ、見えるのは天の果てに流れる長江の川筋だけ。

孤帆、遠影、碧空、長江、天際。李白の孟浩然に対する思いが、これらの語に託されているようです。

 

《PN・帰鳥》