山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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鸛雀楼に登る

2011.09.02

白日依山尽
黄河入海流
欲窮千里目
更上一層楼

 

六八八年生まれの王之渙(おうしかん)の「鸛雀楼(かんじゃくろう)に登る」。鸛雀楼は三階建て。北から流れて来た黄河が、大きく東へ向きを変える曲がり角にある。

 

■読みと解釈
白日依山尽
白日は山に依(よ)りて尽(つ)き
[輝く太陽は山に寄りそって沈んでゆき]

 

黄河入海流
黄河(こうが)は海に入(い)りて流る
[黄河は海に入るまで流れ続ける]

 

欲窮千里目
千里の目を窮(きわ)めんと欲し
[千里四方の眺望を窮めたく]

 

更上一層楼
更(さら)に上(のぼ)る一層の楼(ろう)
[さらに一つ上の高殿に登ることにする]

 

 

■注目点
表現技巧に注目。
この詩の表現技巧。それは前の二句。後の二句。それぞれが対句であること。
白と黄は色。日と河は自然。依ると入るは静と動。山と海も静と動。尽きと流るも静と動。すべて対です。
欲すと更には助辞。窮めんと上るは動詞。千と一は漢数字。里と層は長さ高さ。目と楼は名詞。すべて対です。
作者は高殿に登り、三百六十度、周囲を見渡します。見渡すと、西の山に沈む夕日、海に流れこむ黄河、この二つが目に入ります。
作者はもっと遥か遠くが見たい。そう思って三階建てのもう一つ上の階に登ります。
対句を二つ使い、雄大な風景を詠みます。

 

《PN・帰鳥》