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馬嵬坡

2017.06.16

玄宗回馬楊妃死

雲雨雖忘日月新

終是聖明天子事

景陽宮井又何人

 

八二四年生まれの鄭畋(ていでん)の「馬嵬坡(ばかいは)」。馬嵬坡は陝西省西方の地。

 

■読みと解釈

玄宗回馬楊妃死

玄宗(げんそう)は馬を回(かえ)すも楊妃(ようひ)は死す

[玄宗は馬を返し帰国したが楊貴妃は死んだ]

 

雲雨雖忘日月新

雲雨は忘ると雖(いえど)も日月は新たなり

[男女の情愛は忘れても時代は新たに始まる]

 

終是聖明天子事

終(つい)に是(こ)れ聖明なる天子の事

[事を処理するのは結局は天子の政務である]

 

景陽宮井又何人

景陽(けいよう)の宮井(きゅうせい)は又た何人(なにびと)ぞや

[景陽宮の井戸へ飛びこんだのは何者なのか]

 

 

■注目点

玄宗を賞賛する鄭畋の手法に注目。

玄宗と楊貴妃。内乱で長安を去る玄宗は、寵愛する楊貴妃を同伴するが、馬嵬坡で死を命じる。死んだ楊貴妃を残し、玄宗は蜀へ逃げた後、長安へ戻る。

玄宗と楊貴妃は忘れ得ぬ男女の仲だが、時は二人に関係なく、新しい時代を迎える。

国造りは全て皇帝の判断。楊貴妃への思いを断ち切り、国家の安泰を選択した玄宗。鄭畋は玄宗を賞賛する。

だが景陽殿で政務を執った隋の後主は、酒色に溺れ、宮女と宴遊し、内乱に遭うや、井戸へ飛び込み逃亡。

国家安泰ではなく、国家滅亡を選択した後主。玄宗とは真逆の後主を詠み、却って玄宗を賞賛する手法。

 

《PN・帰鳥》