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項羽の詩に唱和する詩

2014.09.05

漢兵已略地

四方楚歌声

大王意気尽

賤妾何聊生

 

項羽(こうう)の愛姫虞(ぐ)美人(生没年不明)の「項羽の詩に唱和する詩」。

 

■読みと解釈

漢兵已略地

漢の兵は已(すで)に地を略し

[(敵軍の)漢の軍隊はとっくにわが楚(そ)の地を奪い取り]

 

四方楚歌声

四方は楚歌(そか)の声

[四方八方至る所からわが楚の国の歌声が聞こえてくる]

 

大王意気尽

大王は意気尽(つ)き

[大王様(項羽)の意気は尽きてなくなってしまい]

 

賤妾何聊生

賤妾(せんしょう)は何ぞ生を聊(たの)しまん

[私めはどうして生を楽しむことができましょう]

 

 

■注目点

虞美人の心境に注目。

劉邦(りゅうほう)と天下取りを争った項羽は、垓下(がいか)に追い込まれ、四面楚歌の状況で詩を詠んだ。

力は山を抜き気は世を蓋(おお)うも

時は利あらず 騅(すい)は逝かず

騅の逝かず 奈何(いかん)すべき

虞や虞や 若(なんじ)を奈何せん

大王項羽の右の詩に唱和したのが、愛姫虞美人のこの詩。

四面楚歌、孤立無援にありながら、自信と絶望を詠む項羽様。そんな項羽様の側にいて、私めはおめおめと生きてはいられぬ。虞美人は死を覚悟するのです。

虞美人の最期は剣の光と共に飛び、血は野原の草となり、草の名を虞美人草と言うらしい。

 

《PN・帰鳥》