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韓鵬に寄す

2018.12.17

為政心間物自間

朝看飛鳥暮飛還

寄書河上神明宰

羨爾城頭姑射山

 

六九〇年生まれの李頎(りき)の「韓鵬(かんほう)に寄す」。韓鵬の経歴は不詳。

 

■読みと解釈

為政心間物自間

政(まつりごと)を為(な)すに心間(かん)なれば物自(おのずか)ら間なり

[国を治めるには心が静かならば何事も自然に静かになる]

 

朝看飛鳥暮飛還

朝(あした)に飛ぶ鳥を看れば暮れには飛びて還(かえ)る

[朝方飛ぶ鳥を見ていると日暮れには飛んで引き返す]

 

寄書河上神明宰

書を河上(かじょう)の神明(しんめい)の宰(さい)に寄せ

[詩文を河近くの霊験あらたかな長官に寄せ]

 

羨爾城頭姑射山

城頭(じょうとう)の姑射山(こやさん)を羨爾(うらや)む

[街の辺りの仙人の住む姑射山が羨ましい]

 

 

■注目点

韓鵬に何を寄すのかに注目。

どうすれば国は治まるか。答えは無為で自然であること。心が静かであること。

心を静かにするにはどうするか。鳥の動きを見よ。朝方に巣を出た鳥は、一日中悠然と飛び回り、日暮れには巣へ帰って来る。これが鳥の静かな状態。鳥でさえできる。ましてや人はできる。

姑射山は仙人の住む山。仙人を見よ。穀物は食べず、風を吸い露を飲み、雲に乗り、龍に任せ、宇宙の外に遊ぶのが仙人。これが仙人の無為で自然。

鳥に習い、仙人に習い、無為であり自然な心で、長官として霊験あらたかに国を治める韓鵬。作者の李頎は韓鵬を羨ましく思う。

 

《PN・帰鳥》