山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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静夜思

2012.11.09

牀前看月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷

 

七〇一年生まれの李白(りはく)の「静夜思(せいやし)」。

 

■読みと解釈
牀前看月光
牀前(しょうぜん)に月光を看る
[寝台の前で射しこんでくる月の光を見つめていると]

 

疑是地上霜
疑うらくは是(こ)れ地上の霜かと
[それは地面に降りた霜ではないかと思う]

 

挙頭望山月
頭(こうべ)を挙げて山月を望み
[頭を挙げて遠く山にかかった月を眺め]

 

低頭思故郷
頭を低(た)れて故郷を思う
[頭を垂れて遠く古里を懐かしく思う]

 

 

■注目点
終始部屋の中にいる李白の心の動きに注目。看る→疑う→挙げる→低れる。出発は寝台の前の月の光。到達は故郷。仲立ちは山にかかる月。
題の「静夜思」は静かなる夜に(故郷を)思うという意味。その時の思いを月と頭を二回ずつ使うことに注目。
月は距離的には故郷と今いる場所を結び、時間的には過去と現在を結ぶ効果がある。
頭は体の一部だが、ここは心の動きを表す効果をねらう。頭を挙げるのは、心の動きが拡散的、開放的になり、頭を垂れるのは、心の動きが集中的、沈潜的になる。
李白は誰も彼も寝静まった暗い夜。ただ一人目が覚め、寝台の前に射しこむ月の光を見て、そして光を放つ正体の山にかかる月を眺め、心を静めるのです。

 

《PN・帰鳥》