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青陽の曲

2015.12.25

青荷蓋緑水

芙蓉披紅鮮

下有並根藕

上有並目蓮

 

四〇〇年頃の作者不詳の「青陽(せいよう)の曲」。青陽は地名。

 

■読みと解釈

青荷蓋緑水

青荷(せいか)は緑水を蓋(おお)い

[荷(はす)の青い葉は緑の水一面をおおい]

 

芙蓉披紅鮮

芙蓉(はす)は紅鮮(こうせん)を披(ひら)く

[芙蓉の花は紅く鮮やかに咲いている]

 

下有並根藕

下には並根(へいこん)の藕(はす)有り

[水の下には二つ並んだ藕の根があり]

 

上有並目蓮

上には並目(へいもく)の蓮(はす)有り

[水の上には二つ並んだ蓮の目が出ている]

 

■注目点

この詩の主題に注目。

この詩は「ハス」を詠む。詩中の荷、芙蓉、藕、蓮は全て「ハス」。4つの漢字を使うが、違いを言えば、荷は柄を、芙蓉は花を、藕は根を、蓮は実を言う。

ハスの青い葉が、緑の水面をおおい隠している。葉の緑と水の緑は同系色。辺り一面青々した景。ハスの紅の花が、水面に咲き誇っている。辺り一面紅色の景。青と紅の対比。

水面下には二つ並んだハスの根。水面上には二つ並んだハスの目。根も目も二つあり、根と目は水面下でも、水面上でも、つながっている。

この詩の題材はハスだが、蓮の音のレンは、いとしい人を思う憐に通じる。青いハスを男に、紅のハスを女に見立て、二つある根と目を男と女の親しさ、情の深さに譬える恋の詩。主題はここにある。

 

《PN・帰鳥》