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雑詩

2014.05.02

君自故郷来

応知故郷事

来日綺窗前

寒梅著花未

 

六九九年生まれの王維(おうい)の「雑詩」。雑詩は無題に近い。

 

■読みと解釈

君自故郷来

君は故郷自(よ)り来たる

[君はわが古里からやって来られた]

 

応知故郷事

応(まさ)に故郷の事を知るべし

[きっとわが古里の事はご存じでしょう]

 

来日綺窗前

来たる日 綺窗(きそう)の前には

[ここへ来る日には美しい窓の前には]

 

寒梅著花未

寒梅は花を著(つ)けしや未(いま)だしや

[寒梅が花をつけていましたか、どうですか]

 

 

■注目点

これは妻を思う夫の心情を詠んだ詩。どんな心情なのかに注目。

故郷。この語が2度登場します。君とは故郷を離れている夫が、知り合いを呼ぶ語。故郷から来た知り合いだから、故郷の事は当然知っているはず。

故郷の事とひと口で言っても、あれやこれやあり、そのすべてを知り尽くしているのではあるまい。

その知り合いに「ここに来る日には美しい窓の前には、寒梅が花をつけていましたか、どうですか」と尋ねたのです。

知り合いがこの問いにどう答えたか、それは伏せてあります。

美しい窓。その窓のある部屋には妻がいるのです。寒梅を尋ねたのは、春を迎える独り居の妻を案じる夫の心情を言うのでしょう。

寒梅。白と紅。漂う香。妻の容貌かも。

 

《PN・帰鳥》