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集霊台

2017.07.14

虢国夫人承主恩

平明騎馬入宮門

卻嫌脂粉汚顔色

淡払蛾眉朝至尊

 

唐の張詁(ちょうこ、生没年不詳)の「集霊台(しゅうれいだい)」。集霊台は天の神を祭る長生殿のこと。

 

■読みと解釈

虢国夫人承主恩

虢国(かくこく)夫人は主恩を承(う)け

[虢国夫人は玄宗皇帝の恩恵を賜り]

 

平明騎馬入宮門

平明に馬に騎(の)り宮門に入る

[明け方馬に跨がり集霊殿に入る]

 

卻嫌脂粉汚顔色

卻(かえ)って脂粉(しふん)の顔色を汚(けが)すを嫌う

[化粧は逆に顔立ちを汚すとして嫌い]

 

淡払蛾眉朝至尊

淡く蛾眉(がび)を払い至尊(しそん)に朝(ちょう)す

[美しい眉をさっとぬぐい玄宗皇帝に仕えた]

 

 

■注目点

虢国夫人は玄宗皇帝に寵愛された楊貴妃の姉。夫人は月十万銭の化粧代を支給され、玄宗の恩愛を賜った宮女。

夫人は早朝、赤栗毛の馬に跨がり、集霊殿に飛び込む。何を思い、こんな格好で。

夫人は玄宗に謁見する際、化粧しない。化粧すると醜くなる。スッピンで。莫大な化粧代を支給されているのに。天性の顔立ちに絶対の自信を持つ夫人。

夫人は化粧しないが、眉だけはさっと拭い整え、玄宗に謁見する。

夫人が玄宗に謁見する集霊殿は、天の神を祭る清浄神聖な宮殿。その集霊殿に仕える夫人は傲慢で、無礼、無恥、矜持。

姉の一連の行動を妹の楊貴妃はどんな思いで見ていた! どんな思いだろう?

 

《PN・帰鳥》