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閨怨

2014.04.25

閨中少婦不曾愁

春日凝妝上翠楼

忽見陌頭楊柳色

悔教夫婿覓封侯

 

七五六年ごろ亡くなった王昌齢(おうしょうれい)の「閨怨(けいえん)」。閨怨は女性の怨み。

 

■読みと解釈

閨中少婦不曾愁

閨中(けいちゅう)の少婦(しょうふ)は曾(かつ)て愁えず

[女部屋の新妻はまったく愁えたことがない]

 

春日凝妝上翠楼

春日 妝(しょう)を凝(こ)らして翠楼(すいろう)に上る

[春の日に化粧して青塗りの二階へ上がる]

 

忽見陌頭楊柳色

忽(たちま)ち見る陌頭(はくとう)楊柳(ようりゅう)の色

[ふと目に入ったのは大通りのほとりの楊柳が芽吹いた色]

 

悔教夫婿覓封侯

悔ゆらくは夫婿(ふせい)をして封侯(ほうこう)を覓(もと)めしめしを

[残念なのは夫に諸侯を求めさせたこと]

 

 

■注目点

注目は新妻の動き。

この新妻は人生一度も愁えたことがない。何も知らぬ新妻です。

その新妻。うららかな春の日。顔は化粧し、身は着飾る。何のために。二階へ上がる。何のために。これらの動きに注目。

二階へ上がってからの動き。大通りの芽吹いた楊柳が見えた。楊柳は別れの時、相手に送る品物。楊柳を見て我に返ります。

自分には夫がいたことに気づくのです。無謀にも夫に諸侯になるよう、尻を叩いて遠くへ送り出したことに気づいたのです。この動きに注目。

新妻の怨み。それは何なのでしょう。

 

《PN・帰鳥》