山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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長干の曲

2014.12.26

君家何処住

妾住在横塘

停船暫借問

或恐是同郷

 

七〇四年生まれの崔顥(さいこう)の「長干(ちょうかん)の曲」。

 

■読みと解釈

君家何処住

君が家は何(いず)れの処にか住める

[貴男はどこに住んでいるの]

 

妾住在横塘

妾(わらわ)は住みて横塘(おうとう)に在り

[私めは横塘に住んでいるの]

 

停船暫借問

船を停めて暫く借問(しゃもん)す

[船を停めてちょっとお聞きしたの]

 

或恐是同郷

或いは恐らくは是(こ)れ同郷ならん

[ひょっとすると同郷ではないかしら]

 

 

■注目点

注目点は芸妓の思い。

長干は長江流域の南京(なんきん)の街の名。南京市内には川が流れ、岸辺の船着き場には商人がたむろし、酒場には芸妓もいる。繁華な街が長干です。

横塘は長干の一角にあった繁華街。

商人の男は船着き場に、芸妓は船の中に。

船の中から船着き場の商人へ話しかける。「どこの人」。商人は知り合いではなく、初見のよう。どんな思いで話しかけ、話しかけられた商人はどんな思いがしたでしょうか。

芸妓は住まいを明かす。「私いま横塘にいるの」。どんな思いで明かしたのでしょうか。誘ったのでしょうか。

船を停めちょっと世間話。話しているうちに、物言いや話題で同郷人では。芸妓は直感し、ほっとする。短い時間の男と女。日常のひとこまです。

 

《PN・帰鳥》