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金縷の衣

2018.07.20

勧君莫惜金縷衣

勧君須惜少年時

花開堪折直須折

莫待無花空折枝

 

唐の女詩人で生没年不詳の杜秋娘(としゅうじょう)の「金縷(きんる)の衣(ころも)」。金縷の衣は金の糸で作った着物。

 

■読みと解釈

勧君莫惜金縷衣

君に勧(すす)む 惜しむ莫(な)かれ 金縷の衣を

[あなたにお勧めします 大切になさってはなりません 黄金の糸で作った着物を]

 

勧君須惜少年時

君に勧む 須(すべか)らく惜しむべし 少年の時を

[あなたにお勧めします 是非とも大切になさらなくてはなりません 若い時を]

 

花開堪折直須折

花開き折るに堪(た)えなば直(ただ)ちに須らく折るべし

[花が咲き折り曲げるのに大丈夫なら 直ちに折り曲げなくてはなりません]

 

莫待無花空折枝

花無きを待ちて空(むな)しく枝を折る莫かれ

[花が無くなるのを待って いたずらに折り曲げてはなりません]

 

 

■注目点

言いたいことに注目。

二つの君は女詩人杜秋娘のこと。自分を二人称の君とし、客観化して詠む。

豪華さより若さを大切にと君に呼びかける。枯れ散った花より咲いた花を大切にと君に呼びかける。

金縷の花=枯れ散った花。少年の時=咲いた花。女詩人杜秋娘は前者の等式を否定し、後者の等式を肯定する。枯れ散って盛りを過ぎた自分ではなく、咲き誇る今の自分を大切にしたい。言いたいのはこのことでは。

 

《PN・帰鳥》