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酔いて祝融峰を下る

2018.03.09

我来万里駕長風

絶壑層雲許盪胸

濁酒三杯豪気発

朗吟飛下祝融峰

 

一一三〇年生まれの朱熹(しゅき)の「酔いて祝融峰(しゅくゆうほう)を下る」。祝融峰は湖南省にある山。

 

■読みと解釈

我来万里駕長風

我の万里に来たるは長風に駕(が)せり

[我は万里彼方の祝融峰に大風を馬のように御しやって来た]

 

絶壑層雲許盪胸

絶壑(ぜつがく)も層雲(そううん)も許(か)くも胸を盪(ゆる)がす

[深く険しい谷も幾重にも重なる雲も心中を洗い清めてくれる]

 

濁酒三杯豪気発

濁酒(だくしゅ)三杯(さんばい)にして豪気(ごうき)発(おこ)り

[濁り酒を三杯飲むと大胆な気質が体中に湧き起こり]

 

朗吟飛下祝融峰

朗吟(ろうぎん)して祝融峰を飛び下(くだ)る

[声高らかに詩を吟じ祝融峰を大空を鳥のように飛び下りる]

 

 

■注目点

朱熹の動きに注目。

祝融峰にやって来る時の動き。大風を馬のように御し、一気にやって来る。山頂の動き。深く険しい谷を下に見、幾重にも重なる雲を上に見て、心中の汚れを洗い清める。下る時の動き。高らかに詩を吟じ、鳥のように大空を飛び、一気に下る。濁り酒三杯で豪気を起こし、弾みをつける。

動きに注目すると、祝融峰は煩わしい世俗とは違い、心身が洗い清められ、山中や谷川で暮らす仙人の住処。加えて酒を飲むと憂いが消え、豪気に満ち溢れる。

 

《PN・帰鳥》