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都で家族からの手紙を受け取る

2012.12.14

江水三千里
家書十五行
行行無別語
只道早帰郷

 

一三七〇年ごろの袁凱(えんがい)の「都で家族からの手紙を受け取る」詩。

 

■読みと解釈
江水三千里
江水(こうすい)は三千里
[長江の流れは三千里]

 

家書十五行
家書(かしょ)は十五行
[家族からの手紙は十五行]

 

行行無別語
行行(ぎょうぎょう)には別語無く
[どの行にも違う文言はなく]

 

只道早帰郷
只(た)だ道(い)う早く郷に帰れと
[早く古里に帰って来いと言うだけ]

 

 

■注目点
手紙の内容に注目。袁凱は家族からの手紙を都で受け取っている。当時の都は南京(なんきん)。都で何をしていたのか、何歳だったのか、わからない。
三千里と十五行の対比。長江の長さと手紙の長さの対比。十五行は長い? それとも短い?
家族からの十五行の手紙。袁凱は何日ぶり、何年ぶりに受け取ったのでしょうか。
書いてあること。十五行すべて同じ内容。「早く郷に帰れ」。原文で言えば「早帰郷」の三字。どんな思いで書き、どんな思いで読んだのでしょうか。
交通機関も、郵便制度もままならぬ世。旅にある身内に対する家族の思い。思いの本音は「早帰郷」の三字以外ない。
この三字は今の世にも通じる、普遍的な真理ではないでしょうか。

 

《PN・帰鳥》