山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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郭司倉を送る

2017.03.31

映門淮水緑

留騎主人心

明月隨良掾

春潮夜夜深

 

七〇〇年頃生まれの王昌齢(おうしょうれい)の「郭司倉(かくしそう)を送る」。郭は姓。司倉は小役人。

 

■読みと解釈

映門淮水緑

門に映じて淮水(わいすい)は緑なり

[家の門は淮水の緑が照り輝き]

 

留騎主人心

騎(き)を留(とど)むるは主人の心

[馬を引き留めるのは私の心]

 

明月隨良掾

明月は良掾(りょうえん)に隨(したが)い

[明るい月は小役人について行き]

 

春潮夜夜深

春潮(しゅんちょう)は夜夜(やや)に深し

[春の満ち潮は毎夜毎夜深くなる]

 

 

■注目点

小役人の郭を送る王昌齢の情に注目。

郭を送る王昌齢の情を、淮水の緑、明月、春潮の三つで表現するが、それで王昌齢のどんな情を言おうとするのか。

淮水は長江下流の南京付近を流れる川で、王昌齢が郭を送る所。淮水近くに王昌齢の家があり、その門は淮水の緑で輝いている。緑で輝いている門には、王昌齢のどんな情がこめられているのだろう。

主人の心は、勿論送る王昌齢の心。馬に乗っているのは、勿論送られる郭。なぜ郭が乗っている馬を引き留める。別れたくないから。

明るい月は小役人の郭について行くが、王昌齢はついて行けぬ。淮水の満ち潮は夜ごと深まり、王昌齢を苦しめる。そんな情か。

 

《PN・帰鳥》