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道安を嘲る詩

2015.07.03

大鵬従南来

衆鳥皆戢翼

何忽凍老鴟

腩腩低頭食

 

三八四年に亡くなった習鑿歯(しゅうさくし)の「道安(どうあん)を嘲(あざけ)る詩」。道安は僧侶。

 

■読みと解釈

大鵬従南来

大鵬(たいほう)は南従(よ)り来たれば

[大鵬が南から飛んで来ると]

 

衆鳥皆戢翼

衆鳥は皆な翼を戢(おさ)む

[鳥たちは皆な羽をすぼめ収めている]

 

何忽凍老鴟

何ぞ忽(こつ)として凍え老いたる鴟(とび)は

[凍い老いぼれた鴟はなぜこせこせと]

 

腩腩低頭食

腩腩(だんだん)をば頭を低(た)れて食らうや

[頭を垂れて腐った肉を食らうのか]

 

 

■注目点

三種類の鳥に注目。

三種類の鳥。大鵬と衆鳥と鴟。大鵬は想像上の巨大鳥。鳥の中の鳥。衆鳥はごく普通の鳥。鴟は腐った肉に飛びつく浅はかな鳥。

作者の習鑿歯は三種類の鳥のいずれかで、僧侶の道安を軽蔑する。

本詩に登場するのは、作者の習鑿歯、嘲る対象の道安、そして衆僧。

嘲られる道安。三種類の鳥で言えば鴟。腐った肉に飛びつく鴟が道安。衆僧は身を清め、衣食を謹むのに、身を清めず、衣食を謹まず、腐った肉にも飛びつき、ひたすら食べ尽くす僧侶。それが道安。

習鑿歯は自らを鳥の中の鳥の大鵬に見立て、僧侶としての修行をせぬ道安を嘲るのです。

高僧として知られた道安。本詩は偶然の場面かもしれない。

 

《PN・帰鳥》