山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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農夫を憫れむ

2013.05.24

鋤禾日当午
汗滴禾下土
誰知盤中餐
粒粒皆辛苦

 

八四六年に亡くなった李紳(りしん)の「農夫を憫(あわ)れむ」。

 

■読みと解釈
鋤禾日当午
禾(か)を鋤(す)けば日は午に当たり
[田畑を耕していると真昼になり]

 

汗滴禾下土
汗は禾の下の土に滴(した)る
[汗が田畑の地下深くにしたたり落ちる]

 

誰知盤中餐
誰か知らん 盤(ばん)の中の餐(さん)は
[誰も知らぬ 皿の中のご飯は]

 

粒粒皆辛苦
粒粒(りゅうりゅう)皆な辛苦なるを
[ひと粒ひと粒すべて苦労の結晶であることを]

 

 

■注目点
農夫の何を憫れむのか。ここに注目。
一つは、朝早くから真昼になるまで田畑を耕す。長時間の肉体労働。真昼以後、日暮れまでの労働かもしれぬ。一日中の肉体労働。これを憫れむ。
一つは、したたり落ちる汗。田畑の地下深くに染みこむほどの量。汗を拭きもせず、黙々と耕し続ける、長時間労働。これを憫れむ。
一つは、ご飯のひと粒ひと粒は、農夫の苦労の結晶である。ひと粒ひと粒は、農夫の長時間の労働だけではない。風や雨などの自然災害。納税や徴兵などの義務遂行。これらすべて、ひと粒ひと粒の中にある。これを憫れむ。
粒粒辛苦はこの詩から出た四字熟語。心してご飯を戴く。農夫の辛苦を思って…。

 

《PN・帰鳥》