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赤壁

2017.05.26

折戟沈沙鉄未銷

自将磨洗認前朝

東風不与周郎便

銅雀春深鎖二喬

 

八〇三年生まれの杜牧(とぼく)の「赤壁」(せきへき)。湖北省の長江南岸の古戦場。

 

■読みと解釈

折戟沈沙鉄未銷

折戟(せつげき)は沙に沈むも鉄は未だ銷(おとろ)えず

[折れた戟(ほこ)は川沙に沈んでいるが鉄はまだ衰えておらず]

 

自将磨洗認前朝

自(みずか)ら将(も)ちて磨洗(ません)すれば前朝(ぜんちょう)を認めり

[それを手に持ち磨き洗うと前王朝と確認できた]

 

東風不与周郎便

東風の周郎(しゅうろう)の与(ため)に便(べん)ならずんば

[東風が周瑜(しゅうゆ)のために都合よく吹かなかったら]

 

銅雀春深鎖二喬

銅雀(どうじゃく)は春深くして二喬(にきょう)を鎖(とざ)さん

[曹操(そうそう)は春が深まり喬家の二人の美女を捕らえただろう]

 

 

■注目点

主題に注目。

赤壁は三国時代、呉の周瑜と蜀の劉備(りゅうび)の連合軍が、魏の曹操の百万の水軍を破った古戦場。

前朝は前代の朝廷。三国時代のこと。周郎は周瑜のこと。銅雀は曹操が造った櫓。二喬は豪族喬の二人の美女。

前半二句は赤壁の戦いの確認。戟は鉄製の武器。折れてはいるが、鉄製だと判る。これにより時代を確認する。

後半二句は事実とは異なり、東風のお蔭で曹操に捕られず、周瑜は美女を娶ることができた。事実とは逆の詩想。主題はこれ? それとも?

 

《PN・帰鳥》