山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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賈島と間遊す

2014.11.07

水北原南草色新

雪消風暖不生塵

城中馬車応無数

能解間行有幾人

 

七六八年生まれの張籍(ちょうせき)の「賈島(かとう)と間遊す」。賈島は張籍の友人。間遊はぶらぶら遊ぶ。

 

■読みと解釈

水北原南草色新

水の北原の南は草の色は新たにして

[川の北側や野原の南側は草の色が鮮やかで]

 

雪消風暖不生塵

雪は消え風は暖かにして塵を生ぜず

[雪は消え風は暖かで土埃は舞い上がらぬ]

 

城中馬車応無数

城中の馬車は応(まさ)に無数なるべきも

[街中の馬や車の乗り物は数えきれぬが]

 

能解間行有幾人

能(よ)く間行を解するは幾人か有らん

[ぶらぶら遊びが理解できる輩は何人いる]

 

 

■注目点

「間遊」の実態は何かに注目。

前二句は郊外の景と情。後二句は街中の景と情。郊外にいるのは張籍と賈島。街中にいるのは馬車に乗っている役人。

郊外の景は川も野も草も雪も風も清々しい。張籍・賈島の情も清々しい。

街中の景は無数の馬車の土埃で濁り汚い。役人の情も濁り汚い。

役人は名誉・地位・財産を求める俗人。俗人は街中にうようよおり、ぶらぶら遊びはしない。

ぶらぶら遊びをしない俗人には、ぶらぶら遊びをする張籍・賈島の情は判らぬ、と言うのです。

ぶらぶら遊びは人の生き方を言う。自然に身を委ね、あるがままに生きる。この生き方を自負する張籍と賈島。

 

《PN・帰鳥》