山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

豊楽亭にて春に遊ぶ

2018.05.18

紅樹青山日欲斜

長郊草色緑無涯

遊人不管春将老

来往亭前踏落花

 

一〇〇七年生まれの欧陽修(おうようしゅう)の「豊楽亭(ほうらくてい)にて春に遊ぶ」。豊楽亭は東屋(あずまや)の名。

 

■読みと解釈

紅樹青山日欲斜

紅(あか)き樹に青き山 日は斜めならんと欲す

[樹には紅い花 山には青い草 陽射しが西に傾きかけている]

 

長郊草色緑無涯

長郊(ちょうこう)の草の色は緑にして涯(はて)無し

[広々とした郊外の山中の草は緑一色で果てし無い]

 

遊人不管春将老

遊人は春の将(まさ)に老いんとするを管(かん)せず

[春を楽しんでいる人たちは春が過ぎ去るのは気にせず]

 

来往亭前踏落花

亭の前に来往(らいおう)し落花を踏む

[東屋の前を行ったり来たりして散り落ちた花を踏んでいる]

 

 

■注目点

主題に注目。

東屋の名の豊楽は豊年を楽しむ意で、広々として郊外の山中に欧陽修が造った東屋。

豊楽の名に相応しい春。題材の樹と山と日と草と花の自然物。色彩の紅、青、緑の三色。これらは豊と楽を表す。更に春の過ぎ去るのも構わず、散り落ちた花を踏んでいる人々。これまた豊と楽を表す。

豊楽亭の自然の豊、楽。主題はここにあるのか。人々は豊、楽に遊び惚けているが、欧陽修は遊び惚けてはいない。豊、楽の春に身を置きながら、過ぎ去る春を気にしている。主題は栄枯盛衰では。

 

《PN・帰鳥》