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許従を送る詩

2015.03.13

来若迅風歓

逝如帰雲征

離合理之常

聚散安足驚

 

四百年頃の李充(りじゅう)の「許従(きょじゅう)を送る詩」。李充の伝は不明。

 

■読みと解釈

来若迅風歓

来たるときは迅風(じんぷう)の若(ごと)く歓(よろこ)び

[来るときははやてのように喜び]

 

逝如帰雲征

逝(ゆ)くときは帰雲(きうん)の如(ごと)く征(ゆ)く

[去るときは塒に急ぐ雲のように行く]

 

離合理之常

離合は理の常

[離と合とは理の常であり]

 

聚散安足驚

聚散(しゅうさん)は安(いず)くんぞ驚くに足(た)らんや

[聚と散とは驚くに足りぬ]

 

 

■注目点

李充の人生観に注目。

李充と許従の出会い。それは迅風(はやて)のごとく歓びの出会い。

李充と許従の別れ。それは塒に帰る雲のごとく速い別れ。

許従は迷うことなく一気にやって来て喜ばせ、迷うことなく一気に帰って悲しませる。

そんな許従を見て、李充は人の世に思いを馳せる。離と合は理の常、聚(集まる)と散(ちる)は普通の事。離合と聚散は同意語。これに来と逝を加えると、離=散=逝。合=聚=来。

この二つの等式は別物だが、李充は別物ではなく、同等だと思っているのではないか。離=散=逝=合=聚=来。これが李充の人生観ではないか。

絶対視せず、相対視する。人生観が変わるかもしれない。

 

《PN・帰鳥》