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西林の壁に題す

2014.01.31

横看成嶺側成峰

遠近高低総不同

不識廬山真面目

只縁身在此山中

 

一〇三六年生まれの蘇軾の「西林(せいりん)の壁に題す」。西林は廬山(九江市)の西側にある寺の名。題すは本詩を書きつける。

 

■読みと解釈

横看成嶺側成峰

横より看れば嶺を成すも側(そば)よりすれば峰を成し

[(廬山は)横から見ると山脈を成すが側から見ると一山を成しており]

 

遠近高低総不同

遠近も高低も総(すべ)て同じからず

[(廬山は)遠くから近くから高くから低くから見るとすべて違う]

 

不識廬山真面目

廬山の真面目(しんめんもく)を識(し)らざるは

[廬山の本来の真骨頂の姿を識らないのは]

 

只縁身在此山中

只(た)だ身の此の山の中に在るに縁(よ)る

[ただ体が廬山の山の中に在ることに起因しているのだ]

 

 

■注目点

廬山の真骨頂は、どうすれば識ることができるのかに注目。

作者は今、廬山の西側に在る西林寺にいる。西林寺から見た廬山を詠み、詠んだ本詩を壁に書きつけている。

廬山と西林寺との間は距離がある。西林寺から廬山を横、側、遠く、近く、高く、低く見ている。すると廬山の姿はいろいろさまざま。この姿こそが廬山の真骨頂。

廬山の中から見ると、姿はただ一つ。真骨頂ではない。

真骨頂は内部にいると分からず、外部にいると分かる。万物の真理を解いている。

 

《PN・帰鳥》