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蜀の道にて期に後る

2011.10.14

客心争日月
来往預期程
秋風不相待
先至洛陽城

 

六六七年生まれの張説(ちょうえつ)の「蜀(しょく)の道にて期に後(おく)る」。題意は蜀(四川省)の道にいて、帰る予定の期日に遅れた。

 

■読みと解釈
客心争日月
客心は日月を争う
[旅人の心は時間と争うものだ]

 

来往預期程
来往は預(あらかじ)め程(てい)を期す
[帰る日行く日は事前に日程を決めておくものだ]

 

秋風不相待
秋の風は相(あ)い待たず
[秋の風は待ってはくれず]

 

先至洛陽城
先に洛陽城(らくようじょう)に至れり
[先に洛陽の街に着いてしまった]

 

 

■注目点
題意を理解したうえで、期日に帰られなかった思いを理解する。ここに注目。
作者は今、蜀の地にいる旅人です。旅人は旅に出る前に、いつ出発し、いつ帰郷するか。その日程を決めるのだ、と言います。
だから旅人は常に時間を気にし、日々を過ごします。しかし、時間は作者の思いをよそに、容赦なく過ぎて行く。神経質な作者だが、なぜか帰郷する日に帰郷できなかった。
秋の風は待ってはくれない。待ってはくれないのは秋の風です。作者は秋の風をどう思っているのでしょう。
帰るべき洛陽城に先に帰ったのは、作者ではなく秋の風でした。秋の風のせいではないが、作者は秋の風を恨めしく思うのです。

 

《PN・帰鳥》