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虢州の後亭にて李判官の使いして晋絳に赴くを送る

2019.08.02

西原駅路掛城頭

客散江亭雨未休

君去試看汾水上

白雲猶似漢時秋

 

七一五年頃生まれた岑参(しんじん)の「虢州(かくしゅう)の後亭(こうてい)にて李判官(りはんがん)の使いして晋絳(しんこう)に赴くを送る」。虢州は今の河南省。後亭は小部屋。李は姓。生没年等は不明。判官は地方の属官。晋絳は晋国の首都絳。

 

■読みと解釈

西原駅路掛城頭

西原(せいげん)の駅路(えきろ)は城頭に掛(かか)り

[西方の野原を走る街道は街の天辺にひっかかり]

 

客散江亭雨未休

客散るも江亭(こうてい)は雨未(いま)だ休(や)まず

[客人は散り散りになるが雨は止まず降り続く]

 

君去試看汾水上

君去れば試みに看よ 汾水(ふんすい)の上(ほとり)は

[立ち去ったら君は試しにじっと見つめるがいい 汾河のほとりでは]

 

白雲猶似漢時秋

白雲は猶(な)お漢時(かんじ)の秋に似たるを

[白い雲はやはり漢代の秋に似ていることを]

 

 

■注目点

李判官の心境に注目。

この詩は李氏が判官として北方の晋国の首都絳へ出向くのを、岑参が送別の宴席で詠んだ作。

判官は地方の行政や軍政を統治する役人の属官。小役人。宴席は終わり、客人は無く、雨は有る。無と有の対比。加えて汾河と白雲と秋は現在と過去と類似。殺伐とした中、判官として北方へ出向く李氏。李判官の心境はいかばかり?

 

《PN・帰鳥》