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虢夫人

2019.02.08

虢国夫人承主恩

平明騎馬入宮門

卻嫌脂粉汚顔色

淡掃蛾眉朝至尊

 

唐の詩人張祐(ちょうゆう)の「虢(かく)夫人」。虢夫人は玄宗皇帝に寵愛された楊貴妃の姉。

 

■読みと解釈

虢国夫人承主恩

虢国(かくこく)夫人は主恩を承(う)け

[虢国夫人は君主の恩愛を被り]

 

平明騎馬入宮門

平明に馬に騎(の)りて宮門に入る

[夜明けに馬に乗り宮中に入る]

 

卻嫌脂粉汚顔色

卻(かえ)って脂粉(しふん)の顔色を汚(けが)すを嫌い

[顔の様子を損なう化粧は嫌い]

 

淡掃蛾眉朝至尊

淡(あわ)く蛾眉(がび)を掃(は)いて至尊(しそん)に朝(ちょう)す

[眉だけ薄く清め朝廷に参内する]

 

 

■注目点

虢国夫人の行動に注目。

玄宗皇帝の恩愛に報いる虢国夫人は、お迎えの乗り物ではなく、夜が明けるや、自ら馬に乗り、宮殿に赴く。得意然として宮殿に入る虢国夫人。

玄宗皇帝にまみえる虢国夫人の化粧。虢国夫人は化粧を嫌う。化粧すると顔が汚れる。顔を駄目にする。化粧品無用。素面。すっぴん。ただ眉だけは薄く払う。薄化粧で玄宗皇帝の前に出る。

作者の張祐は虢国夫人の生来の美貌を称賛する。称賛する意図は? 虢国夫人の妹の楊貴妃は玄宗皇帝の破格の寵愛を受けた。だが最期は死を命じられ自死した。虢国夫人は大丈夫か。張祐は虢国夫人の最期を心配したのでは。穿ち過ぎか。

 

《PN・帰鳥》