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華清宮に立ち寄る

2017.09.08

長安回望繍成堆

山頂千門次第開

一騎紅塵妃子笑

無人知是茘枝来

 

八〇三年生まれの杜牧(とぼく)の「華清宮(かせいきゅう)に立ち寄る」。

 

■読みと解釈

長安回望繍成堆

長安(ちょうあん)より回望(かいぼう)すれば繍(しゅう)は堆(たい)を成し

[長安からふり向くと華清宮が驪山(りざん)を作っており]

 

山頂千門次第開

山頂の千門は次第に開く

[山頂の数々の門は順序よく次々開いてゆく]

 

一騎紅塵妃子笑

一騎(いっき)の紅塵(こうじん)に妃子(ひし)は笑うも

[紅の塵を上げる一頭の騎馬に楊貴妃(ようきひ)は破顔一笑するが]

 

無人知是茘枝来

人の是(こ)れ茘枝(れいし)の来たるを知る無し

[茘枝が届いたことを知る者は誰一人いない]

 

 

■注目点

主題に注目。

華清宮は驪山の麓にある宮殿。近くには温泉があり、そこは玄宗皇帝の愛妃楊貴妃の巣。杜牧は楊貴妃の住処なる華清宮に立ち寄る。

驪山は樹木ではなく、錦の華清宮が作っている。美しく華やかな華清宮。堂々たる華清宮。一山華清宮。

数々の門が順序よく開く驪山山頂の華清宮。神々しくて豪華。壮大にして絢爛たる華清宮。

早馬が南方から茘枝を運び来る。茘枝は楊貴妃の好物。破顔一笑する楊貴妃。喜びが判るのは楊貴妃と華清宮。

本詩の主題。それは楊貴妃の贅沢、傲慢、豪遊を揶揄する。主題はここか。

 

《PN・帰鳥》