山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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2015.06.26

霊菊植幽崖

擢穎陵寒飇

春露不染色

秋霜不改条

 

四〇一年に亡くなった袁山松(えんざんしょう)の「菊」。

 

■読みと解釈

霊菊植幽崖

霊菊(れいぎく)を幽崖(ゆうがい)に植え

[霊験あらたかな菊を奥深い谷間に植え]

 

擢穎陵寒飇

擢穎(てきえい)は寒飇(かんぴょう)を陵(しの)ぐ

[抜きんでた芽は冷たい風を物ともしない]

 

春露不染色

春の露に色を染(そ)めず

[春の露にも黄の色が汚れることはなく]

 

秋霜不改条

秋の霜に条(えだ)を改めず

[秋の霜にも枝の色が変わることはない]

 

 

■注目点

霊菊。それはどんな菊か。ここに注目。

菊は陰暦九月に黄色の花が咲き、種類は約百。茎、葉、花、味は多種多様。香気があり、薬用にもなる。酒に浮かべた菊花酒は、邪気を払い、長寿の因となる。九月九日には家族で小高い山に登り、これを飲む風習もあった。

作者の袁山松はこの菊を霊菊と称した。霊験あらたかな菊。神仏の不可思議なご利益がある菊と称した。

霊菊を植える場所。場所は選ばれる。場所は幽崖。人里離れた奥深い谷間。俗人の居所から絶縁された場所。そこに植えたのです。

幽崖に植えられた霊菊。春の露も秋の霜も物ともせず、花も枝も変わり萎むどころか、いよいよますます冴え、一年を通して存在感を誇示している。これが霊菊です。

 

《PN・帰鳥》