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舟の中にて元九の詩を読む

2013.10.25

把君詩巻灯前読

詩尽灯残天未明

眼痛滅灯猶闇坐

逆風吹浪打船声

 

七七二年生まれの白居易(はくきょい)の「舟の中にて元九(げんきゅう)の詩を読む」。元九は友人の元稹(げんじん)のこと。

 

■読みと解釈

把君詩巻灯前読

君が詩巻を把(と)り灯(ともしび)の前にて読む

[君の詩集を手にし灯火の前で読んだ]

 

詩尽灯残天未明

詩は尽(つ)き灯は残るも天は未(いま)だ明けず

[詩は読み終え灯火は消えそうだが空はまだ明けない]

 

眼痛滅灯猶闇坐

眼は痛み灯を滅(け)し猶(な)お闇坐(あんざ)すれば

[眼は痛くなり灯火を消しなお暗闇に正座すると]

 

逆風吹浪打船声

逆風は浪(なみ)を吹き船を打つ声

[向かい風が浪を吹き上げ船をたたきつける音がする]

 

 

■注目点

語句の使い方に注目。

灯の字を3回使用。灯前→灯残→打灯の順。この明→薄明→暗の順は、白居易の心情の変化のようです。また、詩の字を2回使用するのは、分厚い詩集を読んだからでしょうか。

同一の語句以外は、尽→残→未明→痛→滅→闇→逆など。これらの語句は白居易の心情が次第次第に不安になり、ついには極点に達する。そんな効果を担っているようです。

もう一つの語句は舟。舟は風や浪で揺れ動く、不安定な乗り物。舟は白居易の不安な心情を高める効果を担っているようです。

元九の詩はどんな詩。

 

《PN・帰鳥》