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絶句

2013.04.12

江碧鳥逾白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年

 

題は「絶句(ぜっく)」。絶句の意味は無題。作者は七七〇年生まれの杜甫(とほ)。

 

■読みと解釈
江碧鳥逾白
江は碧(みどり)にして鳥は逾(いよ)いよ白く
[濃くて青い川に遊ぶ白い鳥はいよいよ白くみえ]

 

山青花欲然
山は青くして花は然(も)えんと欲す
[草木の茂る新緑の山にはまっ赤な花が燃えんばかりだ]

 

今春看又過
今春 看(みす)みす又(ま)た過ぐ
[今年の春もまた見ているうちに過ぎてしまった]

 

何日是帰年
何(いず)れの日か是(こ)れ帰る年ぞ
[いつの日になったら帰れる年が来るのだろうか]

 

 

■注目点
春における作者の思いに注目。
初めの2句は、江と山、鳥と花との対比、碧と青、白と然(赤)との対比。春の自然を色彩豊かに、明るく絵画風に表現します。平和な風景です。
3句目の今春は、右の平和な風景です。平和な今年のこの風景も、見る間に過ぎ去ってしまう。又たは今年だけではない。昨年も一昨年も、その前も、その前も過ぎ去ったのです。
時だけはどんどん過ぎ去る。なのに自分は帰るべき所へ帰ろうにも帰れない。いつになったら帰れるのか。
作者は平和な春を前にして、自分の境遇を嘆くのです。早く帰りたい。早く平和になりたい。そう言うのです。

 

《PN・帰鳥》