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終南にて余雪を望む

2012.03.02

終南陰嶺秀
積雪浮雲端
林表明霽色
城中増暮寒

 

六九九年生まれの祖詠(そえい)の「終南(しゅうなん)にて余雪を望む」。終南は首都長安近郊の山。南山とも言う。余雪は積雪、残雪のこと。

 

■読みと解釈
終南陰嶺秀
終南は陰(きた)の嶺秀(ひい)で
[終南山は北側の嶺が高くそびえ]

 

積雪浮雲端
積雪は雲の端(はし)に浮かぶ
[積もった雪は雲の端っこに浮かんでいる]

 

林表明霽色
林の表(うえ)は霽(は)れし色明るく
[林の上方は晴れた気色が明るく輝き]

 

城中増暮寒
城(まち)の中は暮れの寒さを増す
[街の中は夕暮れの寒さが一段と増している]

 

 

■注目点
終南山の残雪をどう詠むか。ここに注目。
残雪があるのは終南山の北側の嶺。暖かい南側は消え、寒い北側に残っている。北側に高くそびえる残雪は、雲の端っこに届いているよう。
終南山を覆う森林。その森林の上方には雲間から日が射し、明るく輝いている。しかしまだ北側の嶺には残雪はある。
雪はあるが日が射す。日が射せば雪は消える。雪が消えてしまえば、詩の題に反する。この中途半端な天候は、人を中途半端な気持ちにさせる。
街中にいる作者は、残雪を眺めながら、中途半端な夕暮れの寒さを肌で感じている。この時の作者はどんな心境だったのでしょうか。

 

《PN・帰鳥》