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竹枝の詞

2015.03.06

日出三竿春霧消

江頭蜀客駐蘭橈

憑寄狂夫書一紙

家住成都万里橋

 

七七二年生まれの劉禹錫の「竹枝(ちくし)の詞(うた)」。楽曲の一種。

 

■読みと解釈

日出三竿春霧消

日出(い)でて三竿(さんかん)なれば春の霧は消え

[日が出て八時ともなると春の霧は消え]

 

江頭蜀客駐蘭橈

江頭に蜀客(しょくきゃく)は蘭橈(らんじょう)を駐(と)めり

[長江の岸辺には蜀の旅人が立派な船を停泊している]

 

憑寄狂夫書一紙

憑(よ)りて狂夫(きょうふ)に書一紙を寄せんとす

[旅人に頼みわが夫に手紙一通預けたい]

 

家住成都万里橋

家は成都(せいと)の万里橋(ばんりきょう)に住めり

[夫の家は成都の万里橋にある]

 

 

■注目点

夫を思う妻の心情に注目。

夫と妻は今、遠く離れている。離れている理由は不明。妻の居場所は長江の何処か。長江は中国南方を流れる川。夫の居場所は成都の万里橋。成都は蜀の地で、長江の上流。万里橋は橋の名。

妻が目覚めたのは八時頃。辺りは霧も消え、ポカポカ陽気。

見ると、岸辺には立派な船。持ち主は夫の居る蜀からの旅人。

里心ついた妻は、この旅人に一通の手紙を託すことにした。「夫は独り、どんな暮らしをしているのだろう」。夫の手に届くことを念じて託した。よろしく頼む。ひと言添えて。

 

《PN・帰鳥》