山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

お問い合わせはこちら

秋浦の歌

2012.08.24

白髪三千丈
縁愁似个長
不知明鏡裏
何処得秋霜

 

七〇一年生まれの李白(りはく)の「秋浦(しゅうほ)の歌」。秋浦は長江下流域の街。

 

■読みと解釈
白髪三千丈
白髪 三千丈
[わが髪は白く長さは三千丈もある]

 

縁愁似个長
愁(うれ)いに縁(よ)りて个(か)くの似(ごと)く長し
[愁いのせいでこんなに長くなった]

 

不知明鏡裏
知らず 明鏡(めいきょう)の裏(うち)
[澄んだ鏡に映して鏡の中を覗くと]

 

何処得秋霜
何(いず)れの処(ところ)にか秋霜(しゅうそう)を得たるを
[秋の霜がどこから降ってきたのやら]

 

 

■注目点
「白髪」をどう表現するかに注目。
白髪の長さは三千丈、と表現する。三千丈。九千メートル。李白得意の誇張表現。年を取ると、髪の長さは短くなる。なのに大まじめに、白髪が三千丈もあると表現する。
次に白髪が三千丈になったのは、愁いのせいだと表現する。白髪になるのは愁いのせい。これはわかるが、三千丈。これはわかり難い。李白の腕の見せ所か。
次に白髪が三千丈あるかどうか、確かめるために澄んだ鏡に映すと表現する。長さをはかったのでしょうか。
最後に映した三千丈の白髪は秋の霜だったと表現する。鏡に映ったのは紛れもない、三千丈の白髪なのに、秋の霜だったと表現する。
白髪を素直に認めない李白。おとぼけ。

 

《PN・帰鳥》