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秋の様子

2017.10.13

染不成乾画未消

霏霏払払又迢迢

曾従建業城辺過

蔓草寒煙鎖六朝

 

八五〇年生まれの呉融(ごゆう)の「秋の様子」。

 

■読みと解釈

染不成乾画未消

染(そ)めて乾(かわ)くを成さず 画(えが)いて未(いま)だ消えず

[色を染めた布は乾ききらず 描いた絵はまだ消えない]

 

霏霏払払又迢迢

霏霏(ひひ)たり払払(ふつふつ)たり又た迢迢(ちょうちょう)たり

[雲は飛び風はそよぎそして雲も風も遥か彼方に見える]

 

曾従建業城辺過

曾(かつ)て建業(けんぎょう)の城辺(じょうへん)従(よ)り過(よ)ぎりしは

[かつて建業の街外れ近くに立ち寄った時は]

 

蔓草寒煙鎖六朝

蔓草(まんそう)の寒煙(かんえん)は六朝(りくちょう)を鎖(と)ざす

[つる草に降りた寂しげな霞が六つの王朝を閉じこめていた]

 

 

■注目点

秋の様子に注目。

詩の題は秋の様子。どこの秋の様子だろう。どんな秋の様子だろう。

場所としては建業。今の南京。時代としては六朝。二二二年~五八九年間の六つの王朝。

様子としては明るくも暗くもある。

四句全て六朝時代の南京の様子? それとも前半二句は作者呉融の唐代の眼前の様子で、後半二句は六朝時代の南京の様子? 決定し難い。

前半二句は描写的で即興的。後半二句は回顧調で悲壮調。対照の妙。奥深く図り難い。どう読みますか。

 

《PN・帰鳥》