山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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秋の夜

2016.01.08

秋夜長復長

夜長楽未央

舞袖払明燭

歌声遶鳳梁

 

四六七年生まれの王融(おうゆう)の「秋の夜」。

 

■読みと解釈

秋夜長復長

秋の夜は長く復(ま)た長く

[秋の夜は長いうえに長く]

 

夜長楽未央

夜は長きも楽しみは未(いま)だ央(つ)きず

[夜は長いが楽しみは尽きぬ]

 

舞袖払明燭

舞う袖は明燭(めいしょく)を払い

[舞う袖は明かりをさっと払い]

 

歌声遶鳳梁

歌声は鳳梁(ほうりょう)を遶(めぐ)る

[歌声は鳳(おおとり)を彫った梁(はり)を取り巻いている]

 

■注目点

秋の夜の過ごし方に注目。

初めの2句10字には、夜と長を2回ずつ使い、夜が長いことを強調する。夜が長いのが秋。俗に「秋の夜長」と言う。長い長い秋の夜をどう過ごすか。寝るのは勿体ない。何かをして過ごす。何か。酒? 歌? 楽しいことで過ごす。なのに楽しいことは尽きない。終わらない。いくら時間があっても足りない。

舞う袖、歌声。男も女もいる酒の席。男も女も舞い、歌い、飲む。ドンチャン騒ぎ。

舞う袖は明かりを払い、歌声は鳳を彫った梁を取り巻く。豪華な部屋。富豪連中の、秋の夜長を徹する楽しみ。

人生は短い。短い故に楽しく過ごす。楽しさは舞いと歌と酒。これ以外の楽しさはないのだろうか。

 

《PN・帰鳥》