山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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白き鷺鷥

2011.10.28

白鷺下秋水
孤飛如墜霜
心閑且未去
独立沙洲傍

 

七〇一年生まれの李白(りはく)の「白き鷺鷥(さぎ)」。鷺鷥は鳥の名。

 

■読みと解釈
白鷺下秋水
白き鷺(さぎ)は秋の水に下(くだ)る
[白さぎが秋の川に下りてくる]

 

孤飛如墜霜
孤(ひと)り飛ぶは墜(お)つる霜の如(ごと)し
[一羽で飛んでいる様は霜が落ちてくるよう]

 

心閑且未去
心閑(しず)かにして且(しばら)く未だ去らず
[心ゆったりしともかく姿を消すことなく]

 

独立沙洲傍
独(ひと)り沙洲(さしゅう)の傍(かたわら)に立てり
[一羽で砂浜の傍に立っている]

 

 

■注目点
題材は白さぎ。秋の鳥です。白さぎの魅力。その詠み方に注目。
白さぎは鶴に似てやや小さく、嘴も首も足も長く、頭には長い毛がある。魅力的な鳥。
白さぎと秋の水。秋は色で言えば白。白い秋の川に白いさぎ。
白さぎの飛ぶ様。一羽で飛ぶ様。それを空から落ちてくる霜に譬える。霜も色は白。
心静かにしてじっとしている。心は騒がず、動揺しない。
一羽で砂浜に立っている。自分の世界を持ち、孤高を持している。
表現として、各句冒頭の白、孤、心、独の語から、白心、孤独の熟語が想像され、白い心を持ち、孤独な人間が思い浮かびます。ここに白さぎの魅力があるのでは。

 

《PN・帰鳥》