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田家の春望

2011.04.01

出門何所見
春色満平蕪
可歎無知己
高陽一酒徒

 

七六五年に亡くなった高適(こうせき)の「田家の春望」。田舎の春の眺め。

 

■読みと解釈
出門何所見
門を出(い)ずるに何の見る所ぞ
[門を出ると何が見えるのか]

 

春色満平蕪
春色は平蕪(へいぶ)に満つ
[春の光が雑草の茂る平原に満ちあふれている(のが見えるだけ)]

 

可歎無知己
歎(なげ)くべし知己(ちき)無きを
[嘆かわしいのは私を理解してくれる人がいないこと]

 

高陽一酒徒

高陽(こうよう)の一酒徒(いちしゅと)
[(私は)高陽の酒飲みなのだ]

 

 

■注目点
主題は何か。何が言いたいのか。ここに注目。
家の門を出て外に出る。見える物。それは雑草の茂る平原に満ちあふれる春の光。
雑草と春の光はどんな関係でしょうか。雑草は春の光によって、初めて存在が認められる。雑草と春の光は密接な関係。
しかし、作者は自分を理解してくれる人がいないことを嘆く。前の句との関係で言えば、自分は雑草だが、自分を認めてくれる春の光がいない。それを嘆くのです。
高陽の酒飲み。この句は昔の昔、高陽の酒飲みと名乗って、王に重用された武人がいる。作者は自分もその武人のように王に重用されたい。そう思って武人をここに詠んだのです。王こそ春の光です。
春を眺めて自分を売りこむ。ここに主題があるのでしょう。

 

《PN・帰鳥》