山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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琴と酒

2018.08.31

耳根得聴琴初暢

心地忘機酒半酣

若使啓期兼解酔

応言四楽不言三

 

七七二年生まれの白居易(はくきょい)の「琴と酒」。

 

■読みと解釈

耳根得聴琴初暢

耳根(じこん)聴くを得るは琴初めて暢(の)びやかに

[琴がのびやかに広がり始めたその時、聴覚は耳を傾けて聴くことができ]

 

心地忘機酒半酣

心地(ここち)機を忘るるは酒半ば酣(たけなわ)なり

[酒半ばまっ最中になったその時、精神はたくらみを忘れることができる]

 

若使啓期兼解酔

若(も)し啓期(けいき)をして兼ねて酔うを解せしむれば

[もしも栄啓期に酔うことを合わせて理解させることができたら]

 

応言四楽不言三

応(まさ)に四楽(しがく)と言いて三と言わざるべし

[四つの楽しみと言い三つの楽しみとは言わぬに違いない]

 

 

■注目点

お膳立てに注目。琴と酒は隠者を彷彿させるお膳立て。耳根・心地は仏教語のお膳立て。紀元前の栄啓期のお膳立て。三楽を四楽に変えさせるお膳立て。全て高尚なお膳立て。

栄啓期は紀元前の人。栄啓期は琴を弾きつつ、人間に生まれ、男に生まれ、九十まで生きた長寿の楽しみ三つを自負する。

白居易は栄啓期の三つの楽しみに触発され、自分も栄啓期にあやかりたい。琴より不老長寿の酒を重んじ、長寿でありたい。

琴は栄啓期の、酒は白居易のお膳立て。

 

《PN・帰鳥》