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牡丹を讃える

2015.08.21

庭前芍薬妖無格

池上芙蕖浄少情

唯有牡丹真国色

花開時節動京城

 

七七二年生まれの劉禹錫(りゅううしゃく)の「牡丹を讃える」。

 

■読みと解釈

庭前芍薬妖無格

庭の前の芍薬は妖(よう)にして格無く

[庭の前方の芍薬は妖艶ながら品格がなく]

 

池上芙蕖浄少情

池の上の芙蕖(ふきょ)は浄にして情少なし

[池の水面の芙蓉は清浄ながら風情がない]

 

唯有牡丹真国色

唯(た)だ牡丹のみ真の国色(こくしょく)有り

[ただ牡丹だけは本物の国の色艶がある]

 

花開時節動京城

花開く時節京城(けいじょう)を動かす

[花が開く時節には都長安を揺り動かす]

 

 

■注目点

牡丹を讃える理由に注目。

牡丹を芍薬と芙蓉(蓮)に比べ、牡丹こそが本物の国の色艶がある、と絶賛する。

陸にある芍薬は妖艶だが品格がない。水にある芙蓉は清浄だが風情がない。妖艶も品格も、清浄も風情もある。それが牡丹。陸の花の代表の芍薬、水の花の代表の芙蓉。牡丹は両花の美点を有している。これこそ本物の国の花である。劉禹錫は絶賛する。

牡丹の花咲く春夏の季節。首都長安は揺れ動く。人口百万の国際都市長安。人々は牡丹に魅せられ、興奮し、感激し、沸き立つ。

牡丹が長安人を揺り動かす因。それは富裕層や寺院に植えられ、玄宗皇帝も讃え、花と言えば牡丹。花王、天香、国色とは牡丹のことで、花の中の花だったのです。

 

《PN・帰鳥》