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漢江

2013.02.22

溶溶漾漾白鴎飛
緑浄春深好染衣
南去北来人自老
夕陽長送釣船帰

 

八〇三年生まれの杜牧(とぼく)の「漢江(かんこう)」。漢江は中国のほぼ中央を北から南東に流れる川。

 

■読みと解釈
溶溶漾漾白鴎飛
溶溶(ようよう)たり漾漾(ようよう)たり 白き鴎(かもめ)は飛び
[勢いよく果てもなく揺れ動く川には白い鴎が飛んでおり]

 

緑浄春深好染衣
緑は浄(きよ)く春は深く衣を染むるに好(よ)し
[緑は清らかで春は深くわが衣服を彩るのによろしい]

 

南去北来人自老
南に去り北に来たれば人は自(おの)ずから老い
[南北を行き来しているうちに自分はいつの間にか老いてしまい]

 

 

夕陽長送釣船帰
夕陽(せきよう)は長く送る釣り船の帰るを
[夕日はいついつまでも釣り船が帰って行くのを見送っている]

 

 

■注目点
漢江という川を詠む意図に注目。
題材として注目すべきは、漢江、白鴎、釣り船の三つ。
この詩の舞台は題の漢江。漢江は勢いがあり、果てしなく流れ、清らかな川。
白鴎は清らかな鴎。人間の欲望を見抜く鳥。清らかな鴎が清らかな漢江に飛んでいる。
釣り船を操るのは老いた漁師。漁師は名誉や財産を求めぬ清らかな人間。
三つの題材に共通するのは、清らかさ。清らかな題材で、作者の心も清らか。漢江を詠む意図は、ここにあるのではないでしょうか。

 

《PN・帰鳥》