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漢宮の詞

2018.07.27

青雀西飛竟未迴

君王長在集霊台

侍臣最有相如渇

不賜金茎露一杯

 

八一三年生まれの李商隠(りしょういん)の「漢宮の詞(うた)」。漢宮は漢代の宮殿。

 

■読みと解釈

青雀西飛竟未迴

青雀(せいじゃく)は西に飛び竟(つい)に未だ迴(かえ)らざるも

[青い鳥が西方へ飛び去って未だ戻らぬが]

 

君王長在集霊台

君王は長(とこし)えに集霊台(しゅうれいだい)に在り

[天子はずっと集霊台で待ち続けている]

 

侍臣最有相如渇

侍臣(じしん)には最も相如(しょうじょ)の渇(かつ)有るも

[側近の司馬相如は消渇の病いを持つが]

 

不賜金茎露一杯

金茎(きんけい)の露一杯をも賜(たま)わらず

[不老長生の薬をただの一服も下さらぬ]

 

 

■注目点

言いたいことに注目。

君王は漢代の武帝。集霊台は武帝が西方に居る仙女を迎えるために都に築いた建物。青い鳥は仙女の使者で、飛び立った先は仙女の居る西方。金茎は武帝が不老長生の露を受け取るために都に築いた建物。司馬相如は武帝の側近中の側近。

集霊台も金茎も武帝自身が長生きするために築いた建物。武帝は長生きするために、あらゆる手段で画策する。画策は自身の長生きのためであり、側近中の側近の司馬相如が病いに臥しても、一服の薬も与えない。

言いたいこと。武帝の長生きへの執着と側近への無情を非難諷刺する。或いは李商隠は自分を司馬相如に重ね、自分の不遇を訴えているのかも知れない。

 

《PN・帰鳥》