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湖陰先生の壁に書く

2018.03.23

茆簷長掃静無苔

花木成畦手自栽

一水護田将緑遶

両山排闥送青来

 

一〇二一年生まれの王安石(おうあんせき)の「湖陰(こいん)先生の壁に書く」。湖陰先生は王安石の隣人。

 

■読みと解釈

茆簷長掃静無苔

茆(かや)の簷(のき)は長(つね)に掃(はら)い静かにして苔(こけ)無く

[茅葺きの家は常に掃除し清くて苔一つなく]

 

花木成畦手自栽

花や木の畦(あぜ)を成すは手もて自(みずか)ら栽(う)う

[花や木が畦にできあがっているのは先生の手作り]

 

一水護田将緑遶

一水は田を護(まも)るに緑を将(も)って遶(めぐ)り

[一筋の緑の水がぐるりと田を囲んで緑で保護し]

 

両山排闥送青来

両山は闥(もん)を排(ひら)き青を送りて来たる

[二つの青い山が門を押し開いて青さを送って来る]

 

 

■注目点

湖陰先生に注目。

本詩は湖陰先生の人柄を、先生宅の壁に書いたのだが、どんな人として書いたのだろう。

家は粗末。粗末だが自分で手入れしている。気ままではなく、休まず怠らずしている。

田の所有者。田も心を込め、手入れしている。畦に花や木を植えたり、緑の水で田を保護したりしている。

在宅の時、門を押し開け入って来る。山の青さを胸一杯吸っている。青さで命が延びると思い、吸い込んでいる。

湖陰先生ってどんな人だろう。農夫? 学者? 隠者?

 

《PN・帰鳥》