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湖の側で飲む。初め晴れ後に雨

2011.07.29

水光瀲灔晴方好
山色空濛雨亦奇
欲把西湖比西子
淡粧濃抹総相宜

 

作者の蘇軾(そしょく)は一〇三六年生まれ。題は「湖の側で飲む。初め晴れ後に雨」。湖は揚子江下流域の西湖(せいこ)。

 

■読みと解釈
水光瀲灔晴方好
水光は瀲灔(れんえん)として晴れは方(まさ)に好(よ)し
[湖水の光がさざ波を浮かべている晴景色は今まさに素晴らしい]

 

山色空濛雨亦奇
山色は空濛(くうもう)として雨も亦(ま)た奇(き)なり
[山の気配が霧雨に霞んでいる雨景色もまた格別だ]

 

欲把西湖比西子
西湖を把(と)りて西子(せいし)に比せんと欲せば
[西湖を西子に比べてみるならば]

 

淡粧濃抹総相宜
淡粧(たんしょう)濃抹(のうまつ)総(すべ)て相(あ)い宜(よろ)し
[薄化粧も厚化粧もいずれもよろしい]

 

 

■注目点
詩の題と詩の内容に注目。
西湖に舟をうかべて酒を飲み、西湖を西子に比べた詩。西湖は名勝地。西子は西施(せいし)のこと。紀元前の美人。西のつく湖と美人を比べたのです。
題の初め晴れは、西湖の晴れと西施の晴れ。西施の晴れは厚化粧。
題の後に雨は、西湖の雨と西施の雨。西施の雨は薄化粧。
西湖の晴景色も雨景色も、西施の厚化粧も薄化粧もすべてよい。

晴れから雨へ、厚化粧から薄化粧へ。その逆。美の変化――作者はそこに感動したのでしょう。

 

《PN・帰鳥》