山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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清明

2014.04.04

清明時節雨紛紛

路上行人欲断魂

借問酒家何処有

牧童遥指杏花村

 

八〇三年生まれの杜牧(とぼく)の「清明(せいめい)」。清明は清明節。陽暦の四月四、五日ごろ。

 

■読みと解釈

清明時節雨紛紛

清明の時節は雨紛紛(ふんぷん)たり

[清明の時節には雨が入り乱れて降る]

 

路上行人欲断魂

路上の行人は魂を断たんと欲す

[道行く人は魂が断ちきれんばかり]

 

借問酒家何処有

借問(しゃもん)す酒家は何(いず)れの処(ところ)にか有ると

[ちょっと聞くが酒屋はどこにある]

 

牧童遥指杏花村

牧童(ぼくどう)は遥(はる)かに指さす杏花(きょうか)の村

[牛飼いの子は遥かに杏の花咲く村を指さす]

 

 

■注目点

終わり2句の問答に注目。酒屋を聞いた意図は何か。牧童は問いに答えたのか。

清明は清らかで明るい意味。なのに名のいわれとは逆に、清明節の日に雨が降り、道行く人は魂が断ちきれんばかりで、死にそう。

雨に濡れ道行く人がいる。作者かも、作者以外かもしれない。その人は恐らく年のいった男でしょう。

その男が酒屋のありかを聞きます。聞いた意図は? 酒屋で雨が降る憂さを晴らそうとしたのでしょうか。

聞かれたのは牛飼いの子。牛飼いの子も雨に濡れながら、遥か彼方の杏の花咲く村を指さします。この動作で酒屋のありかを教えたのでしょうか。

ほっとする問答です。

《PN・帰鳥》