山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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清明の日

2017.09.22

他皆携酒尋芳去

我独関門好静眠

唯有楊花似相覓

因風時復到牀前

 

九二五年に亡くなった李建勲(りけんくん)の「清明(せいめい)の日」。清明の日は春分から15日目。この日は青々した草の香を求めて、郊外を散歩する風習があった。

 

■読みと解釈

他皆携酒尋芳去

他は皆な酒を携(たずさ)え芳(ほう)を尋ねて去(ゆ)くも

[他人は残らず酒を手にし春の芳香を探し求めて出かけるが]

 

我独関門好静眠

我は独り門を関(と)じ静(せい)を好んで眠る

[私はただ独り門を閉ざし春の静けさが好きで眠っている]

 

唯有楊花似相覓

唯(た)だ楊花(ようか)のみ相(あ)い覓(もと)むるに似たる有り

[ただかわ柳の花だけは私を探し求めているようで]

 

因風時復到牀前

風に因りて時に復(ま)た牀前(しょうぜん)に到(いた)る

[風に乗って折しも寝台の辺りにやって来てくれる]

 

 

■注目点

言いたい事は何。

清明の日は青々した草の香を求め、郊外を散歩する日。

世の人は散歩に出かけるが、作者は出かけない。出かけずに寝台で眠っている。眠っていると、かわ柳の花が風に乗り、眠っている寝台にやって来てくれる。作者は寝台で清明の日を謳歌している。

主体性をなくし、風習に飛びつく俗人。俗人を風刺する。主体性を持ち、風習に飛びつかぬ作者。己を自負する。風刺と自負。言いたい事はこれか。

 

《PN・帰鳥》