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清平調の詞

2014.02.28

一枝紅艶露凝香

雲雨巫山枉断腸

借問漢宮誰得似

可憐飛燕倚新妝

 

七〇一年生まれの李白。題は「清平調の詞(うた)」。清平調は曲調。

 

■読みと解釈

一枝紅艶露凝香

一枝の紅艶(こうえん)露は香を凝らし

[ひと枝のあだっぽい牡丹の花に降りた露は花の香を凝り固め]

 

雲雨巫山枉断腸

雲雨巫山(ふざん)枉(むな)しく断腸

[雲となり雨となる巫山の神女に楚(そ)の王は断腸の思いをした]

 

借問漢宮誰得似

借問(しゃもん)す漢宮(かんきゅう)誰か似るを得ん

[ちょっと問うてみるが漢代の宮殿で楊貴妃(ようきひ)に似ているのは誰だろう]

 

可憐飛燕倚新妝

可憐の飛燕(ひえん)新妝(しんしょう)に倚(よ)る

[それは愛らしくしたばかりの化粧を自慢している趙飛燕でしょう]

 

 

■注目点

やや難ですが、詩作りの巧みさに注目。

この詩。実は楊貴妃と牡丹を愛でていた玄宗(げんそう)皇帝が、李白に命じ作らせた詩。

李白はあだっぽい牡丹を楊貴妃にたとえ、更に昔の漢代の可憐で化粧したての趙飛燕になぞらえ、伝説上の巫山の神女にもなぞらえたのです。

夢で神女と交わった楚の王は別後、雲や雨に化身した神女を見て、断腸の思いがしたが、玄宗は楊貴妃と別れることなく、牡丹を愛でている。讃えたのです。

だが一方の趙飛燕は出身が卑しく、成帝の寵愛を失い、最後は自殺した女。李白はこれが因で、長安を追放された因縁の作です。

 

《PN・帰鳥》