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涼州の詞

2013.11.22

黄河遠上白雲間

一片孤城万仞山

羌笛何須怨楊柳

春光不度玉門関

 

六八八年生まれの王之渙(おうしかん)の「涼州(りょうしゅう)の詞」。涼州は中国西方の地で、外敵に備える要塞が置かれた。

 

■読みと解釈

黄河遠上白雲間

黄河は遠く白雲の間(かん)を上(のぼ)る

[黄河は遠く白い雲のある所を通って上って行く]

 

一片孤城万仞山

一片(いっぺん)の孤城(こじょう) 万仞(ばんじん)の山

[そこには小規模の要塞と急峻な山がある]

 

羌笛何須怨楊柳

羌笛(きょうてき)は何ぞ楊柳(ようりゅう)を怨(うら)むを須(もち)いん

[羌族が吹く笛は楊柳をうらめしく思う必要はない]

 

春光不度玉門関

春光は玉門関(ぎょくもんかん)を度(わた)らず

[春の光はまだ玉門関を渡ってきてはいない]

 

 

■注目点

要塞のある涼州を詠む意図に注目。

涼州は黄河が遠く溯り、白雲がたなびき、小規模の要塞、急峻な山がある所。地形的に人の住めない所。

人の住めない涼州に、遊牧民族の羌がおり、彼らの吹く笛の音が聞こえる。曲のテーマは楊柳。楊柳と言えば、別れの曲。

だが別れの曲は玉門関には渡ってこない。まだ楊柳の芽吹く春ではないから。玉門関は涼州の地で、外敵と戦う兵士の駐屯地。

別れの曲。本当は涼州の兵士には聞こえているのでは。本当を言わぬ意図は?

 

《PN・帰鳥》