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涼州の詞

2012.08.10

葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回

 

六八七年ごろ生まれた王翰(おうかん)の「涼州(りょうしゅう)の詞(うた)」。涼州は外敵の侵入を防ぐために、西方に置かれた要塞の地。

 

■読みと解釈
葡萄美酒夜光杯
葡萄の美酒 夜光(やこう)の杯
[葡萄で造った美味い酒に夜光の杯]

 

欲飲琵琶馬上催
飲まんと欲すれば琵琶(びわ)馬上に催(うなが)す
[飲もうとすると琵琶が馬の上でせき立てる]

 

酔臥沙場君莫笑
酔うて沙場に臥(ふ)す 君笑うこと莫(な)かれ
[酔っ払って砂漠に寝転がる 皆よ笑うな]

 

古来征戦幾人回
古来征戦(せいせん)幾人(いくにん)か回(かえ)る
[昔から戦いに駆られ何人回って来たというのか]

 

 

■注目点
兵士の心情に注目。
涼州の要塞で外敵と戦う兵士。飲む酒は葡萄の美酒。杯は夜光る杯。乗る馬。楽器の琵琶。すべて涼州付近の西方の舶来品。
舶来品に囲まれ、戦いの合間を過ごす兵士。舶来の琵琶にせき立てられ、舶来の酒を舶来の杯で勢いよく飲む。
飲むうちに酒が回り酔っ払い、酔っ払ったら、砂漠に寝転がる。皆の者よ、笑うでない。笑うことを禁じたのです。懇願でも願望でもない。禁じたのです。
くり返される外敵との戦い。何人もの兵士が死んだ。古里へ帰り、親兄弟に会いたい。無残な死への、悲痛な兵士の叫びです。

 

《PN・帰鳥》